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第二章 ジョイント速読法の特性 ①気の速い人は実践編へ

脳

気の速い人は実践編へ

さて、本章は理論編で、どういう理由によって速読法が可能になるか、という理論と理屈について述べたものです。

ですから、あなたが「理屈なんかは、どうでも良い、早く速読法を身につけたい!」という「セッカチ」な人でしたら、読むのを中断して、先の実践編に進んでくださって、いっこうに構いません。

そして、改めて理屈、理論について、詳しく知りたくなったら、この章に戻ってきて、読み直してください。

ジョイント速読法とキム式速読法

さて、これまでにずいぶん速読法の本が出版されていますし、それらの中には、われわれの著した「左脳らくらく速読術」(カッパ・ブックス)「一日15分の速読トレーニング術」(KKベストセラーズ)「視力復活! 超速読術」(日本文芸社)「速さ十倍誰でもできる速読術入門」(大陸書房)「三日でマスターできる資格試験のための超速読法」(日本法令)「決定版!速読トレーニング」「KKダイナミックセラーズ」などの他にもベストセラーになったものもありますから、あなたが速読法に強い関心を持っていたとすると、当然、何冊かを手に取って見たことがあるでしょう。

 

速読法について広め始めたのは、私たち新日本速読研究会のジョイント速読法も、韓国から輸入されたキム式速読法も、ほとんど同時期ですが、書籍を通じて世間一般に速読法の存在を知らせたのは、キム式速読法や、欧米式速読法の改良型の佐藤式速読法(佐藤泰正氏による)のほうが、残念ながらやや先でした。

 

そして、量的にはキム式速読法の本が最も多いので、速読法=キム式速読法である、という誤ったイメージを持ってしまっている人が、実に多いのです。

 

キム式速読法と、その流れをくむ加古式速読法などでは「丹田呼吸法」という特殊な呼吸法をきわめて重視していて、そのマスターが速読法のマスターに先立って必要不可欠であるように書いてあります。

 

韓国原産の速読法と言うと日本国内では敬遠されることも多いので、キム式速読法の名称には一切ふれないように用心している速読法の教室も多いのですが、とにかく丹田呼吸法について多少でも訓練の一環として扱っているようでしたら、それはキム式速読法の分派だと思って問違いありません。

 

結論から先に申し上げますと、速読法の修得に丹田呼吸法は、まったく必要がありません。

そして、キム式速読法の創始者が、丹田呼吸法をマスターしてから速読法を開発することに成功したので、丹田呼吸法のマスターが速読法のマスターに先立って必要不可欠であるように思い込んでいるだけです。

つまり、大いなる錯覚です。

 

錯覚にもとづいて論理を組み立て、不要な訓練を無理に必要だと思い込ませようとしているので、なぜ丹田呼吸法が速読法に必要かは、非常にチャチで「こじつけがましい」理屈になってしまっています。

 

ただそう書いても、ライバルの個人攻撃のようになってしまいますが、キム式速読法の教室に通って速読法を修得できずに終わり、授業料タダ取られの被害にあう、という事例が令国的に多数、発生しているので、社会正義のためにも、この問題には触れざるを得ません。

 

どうして丹田呼吸法は速読法に無関係なのか、無関係のものの証明などは本来は必要ないのですが、そういうわけで、無関係であることの理論的根拠については、後で改めてスペースを割いて詳しく説明することにします。

単なる健康法にすぎない丹田呼吸法

ただ、丹田呼吸法は、まったくの無用の長物というわけでもありません。「キム式速読法」では丹田呼吸法によって脳が活性化され、α波という脳波が大脳から出されるようになり、それが速読法のマスターに不可欠である、ということをうたっています。

前節で述べたように、丹田呼吸法は速読法に不可欠なものではないどころか、無川の長物なのです。

丹田呼吸法と速読脳の開発とは、まったくの無関係というわけでもありませんが、その関係は、せいぜい「風と桶屋」程度のつながりです。

 

ちょっと脱線しますが、「風が吹くと桶屋がもうかる」という言葉は、ご存じですか?

風が吹くと、町中に砂ぼこりが舞う。

それが目に入って、眼病を患う人が増えて、中には失明する患者も出るかもしれない。

 

そうしたら、失明した人は「あんまさん」になるしか仕事がない。(江戸時代の話ですから)あんまさんは、他の人の目印になるように、また、あんまの注文が取れるように、三味線を鳴らして歩く。

そうすると、三味線の需要が増えるけれども、三味線には猫の皮を張る。
そのために、たくさんの猫が捕獲されて殺される。猫が殺されると、天敵がいなくなって、ねずみが繁殖する。繁殖したねずみは、住や桶をかじる。

 

桶をかじられた人は桶屋に新しい桶を買いに行くので、桶屋がもうかる・・・という途方もない遠回りの論理です。

丹田呼吸法で大脳の細胞が活性化される、というのは、ある程度までは事実で、この場合の風と桶屋ほど異常に遠い関係ではありません。

しかし、それを速読脳の開発にまで結び付けようとすると、「風と桶屋」になってしまうのです。

もし、あなたがキャリア・ウーマンでしたら、丹田呼吸法は速読法の訓練プログラムとしてよりは、むしろ、女性にありがちな、頭痛、生理痛、貧血、ヒステリーなどの改善のほうに、遙かに大きな効果があります。

 

男性でも、肩こりや視力の減退には効果があります。
ですから、丹田呼吸法をマスターして、まったくの損ということはありません。
しかし、前で述べたように、こと速読法のマスターに丹田呼吸法は無関係ですから、それについては、最後のほうで説明したいと思います。

大脳は並列処理コンピューター

さて、「人間の大脳は、非常に優秀な生きたコンピューターである」というようなことを、あなたは聞いたことがあると思います。

しかし、人脳が並列処理の得意なコンピューターである、ということまでは、あまり聞いたことがないでしょう?

 

ジョイント速読法は、このコンピューター理論から川村明宏によって開発された理論で、今までに多くの速読法がキム式速読法から分派独立しましたが、そういった流れとはまったく無関係に、日本国内でオリジナルに創始されたものです。

 

大脳が並列処理が得意だ、と言われてもピンと来ないでしょうから、あなたの周辺にもありそうな、やさしい例を出しましょう。

あなたが、時間つぶしに、あんまり面自くないテレビ・ドラマを見ていたと仮定します。

 

男性は、あんまりテレビを見ながらの「ながら」をやりませんから、女性の、それも主婦の身になって考えてみてください。煮物をレンジに掛け、編み物をしながら、あなたはテレビを見ています。

 

もし、点物がこげついて、こげる匂いが台所から流れてきたら、あなたは即座に気がつくでしょうし、電話が鳴っても、玄関のチャイムが鳴らされても、あなたは気がつくに違いありません。

 

つまり、あなたは、テレビを見る、編み物をする、匂いをかぐ、テレビ以外の音を聞く、という四つのことを、並行してやっているわけです。

 

そして、これらのことの処理と命令はすべて、大脳が行なっています。
同時にいくつもの作業や情報処理を並行して行なうことができるので、「大脳は並列処理の得意なコンピューターだ」というわけです。

並列処理と直列処理

それでは、あなたが反対に、ものすごく面白いテレビ・ドラマを見ていると仮定したらどうでしょうか?

 

あなたはつい、画面に引き込まれて夢中になり、いつの間にか編み物していた手は止まってしまい、台所の煮物がこげついても、電話が鳴っても、玄関のチャイムが鳴らされても、まったく気がつかない、ということになる可能性があります。

トイレに行くことさえも忘れて、CMタイムになって急に思い出してトイレに駆け込んだ、そんな経験は、あなたにはありませんか?

 

つまり、画面のドラマの面白さに熱中するあまり、あなたは並行して働いていた大脳の他の部分のスイッチを切って、ドラマを観賞するスイッチ、たった一つだけにしてしまったわけです。

これをむずかしく言うと、並列処理から直列処理(物事を一つずつ順番に処理していくこと)に切り替えた、ということになります。

 

ところが、完全な直列処理に切り替わってしまったのか、というと、細部を検討するとそうではありません。

ドラマに熱中している自分自身を、想像してみてください。

 

あなたは、ドラマに登場している人物の動きやせりふに神経を集中していますが、重要な登場人物が二人いれば、その二人とも、三人いれば、その三人とも見ているでしょう?

 

つまり、狭い範囲に絞られましたが、あなたの大脳は、やはり並列処理を続けているわけです。

人間は集中するにつれて直列処理の度合を強める

ところが、ドラマのキイ・ポイントになるような場面に差しかかると、あなたはさらに熱中してきます。

そうすると、どういう現象が起きるかというと、あなたには、脇で動いている主要ではない登場人物は見えなくなりバックの小道具、大道具なども見えなくなります。

 

たとえば、主人公の男女がバーで飲んでいたとします。

その二人の会話が重大になってくると、カウンター内のバーテンの姿などは、画面には映っていても、あなたの視野から消えてしまいますし、バーの隅に植木の鉢があったかなかったか、とか、壁に絵が掛かっていたかいなかったか、といった微細なことも、見えなくなってしまいます。

 

あなたの大脳における情報の処理の形態が、並列処理からさらに直列処理の方向へと進んだのです。

つまり人問は、何かに意識を集中させると、大脳の情報処理形態が、並列処理から直列処理へと切り替えられてゆく、という特徴があるわけです。

直列処理の習性を逆手に取った推理ドラマ

ずいぶん昔の話ですが、NHKで「私だけが知っている」という、犯人当ての推理ドラマがありました。

画面で推理剽が演じられ、ゲスト解答者が、登場人物の中から犯人を推理して当て、最後に重々しく、「私だけが知っている」とナレーションが入って犯人が明らかにされる、という展開です。

 

今、「Wの悲劇」だとか、「弁護士・朝吹里矢子」シリーズで活躍している推理界の大御所の夏樹静子さんが、まだ慶応大学の女子学生で、このシリーズのシナリオを書いていた、というのですから、本当に占い話です。

 

このシリーズが、前節で触れたノ「人間は何かに意識を集中すると、大脳の情報処理の形態が、並列処理から直列処理へ切り替えられていく傾向がある」ということを、上手に利用していました。

 

重要なシーンになると、つい人は登場人物の動きやせりふに気を取られて、背景にある細かな物を見落としてしまいます。ところが、そういう物の中に、犯人を暗示する重要な手懸かりがコッソリ忍ばせてある、という仕掛けです。

 

もちろん、ゲスト解答者たちもその辺のところは百も承知していて、登場人物の動きを注視しながら、背景の大道具、小道具も見落とさないように神経を配っています。

 

そうすると、物語を構成するシナリオ作家のほうでも、解答者たちの裏の裏をかいてやろうとさまざまな工人をこらしますから、ついつい引っかかってしまう、というわけです。

情報処理の習性を訓練によって逆転させる

話がまた、脱線してしまいましたので、元に戻しましょう。

 

ジョイント速読法では、人間のこの、すぐに直列処理しようとする性質を訓練によって逆転させて、大脳の並列処理能力を重点的に使って速読する技術を身につけさせようとしているのです。

 

まだ、話がピンと来ていない人も多いと思いますので、もう少し並列処理と直列処理ということについて、具体的な例をあげてみましょう。

たとえば、あなたが大きなケーキ屋さんに、何かのお土産のケーキを買いに入っていったと仮定します。

大きな店ですから、ガラスのショー・ケースの中には、ズラリと沢山のケーキが並んでいます。

 

あなたは、どのケーキを買うか、陳列されたケーキを丁寧に端から一つずつ順番に見ていきますか?

いえいえ、そんなことをしていたら、時間がいくらあっても足りません。

ケーキと言っても、大きなデコレーション・ケーキ、日持ちの良いクッキー類生クリームを使ったケーキ、パウンド・ケーキ……と、いろいろと。バラエティがあります。

まず最初に、全体をザーッとながめ回して、どの辺りに自分の希望する商品があるか、見当をつけてから、初めて一つずつ検討していく、ということをやるでしょう?

 

一つずつ端から順番に見ていく、というのが情報の直列処理であり、まず全体をザッとながめ回す、というのが並列処理なわけです。

あなたは日常生活では、さまざまな物を選択する際、まず最初に並列処理をして、それから範囲を絞って直列処理に切り替え、確認をする、というふうにやっていると思います。

 

そして、並列処理は時間的には速いが粗雑であり、直列処理は時間を食うが、ていねいで確かである、というふうに認識していると思います。

だから、ほとんどの人が、並列処理で情報を「ふるい」に掛けた後、直列処理で再確認する、という工程を踏むわけです。

ところが、並列処理というのは、実際には、それほど粗雑な情報処理方法ではなく、ただ、習慣でそんな気がしているだけなのです。

つまり、錯覚です。

 

なぜ、そう錯覚してしまうのか、その理由は後で改めて詳しく述べますが、この並列処理の過程を訓練して緻密にしてやれば、情報処理の能力はグーンとアップします。

 

 

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