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第二章 ジョイント速読法の特性 ④左脳は形状の識別が苦手

左脳は形状の認識が苦手

左脳が物体を識別する場合、引用文の内容ですと、どんな物体でも識別できるような印像がありますが、実際には、ごく単純なものは識別できますが、複雑なものになってくると、識別することができなくなります。

 

たとえば、モジャモジャにほおひげ、あごひげを生やした人の顔と、ライオンの顔とを区別することができなくなる、というような珍妙な現象が起きます。

 

左脳はもっばら論理的、抽象的な概念ばかりを分担しているので、目に見える物体の細かな形などを識別することは、非常に不得手なのです。

このことをい『右脳とか左脳のはなし』(セルゲーエフ著・阿部光仲訳・東京図書刊)から引用してみることにします。

形の記憶は右脳の分担であり、右脳が止まると、形の・記憶に障害が起こる。

 

被験者(試験を受けている患者)は、尾っぽのない牛、スパニエル犬のように長く垂れた耳を持つ馬の絵をにても、いっこうに驚かない。

 

彼は、絵のおかしな点にまったく気づかないのだ。

複雑な形状を記憶できないし、短い言葉や詩の一節などはよく覚えているのに、形状の名称は言えないのである。

複雑な形の図形を見極め、記憶し、それとまったく同じ形の物を他の図形グループの中から選び出す、そういった作業も、ほとんどできなくなる。

 

被験者は、外見的特徴で図形を分類するのがうまくできないのだ。

彼にとっては、形象概念よりは抽象概念のほうが、わかりやすいのである。

さらに右脳が活動停止となると、目を使って行なう作業のほとんどが、できなくなってしまう。

棚の上から必要な品物を目で探して取り出すことができないし、運動する物体を目で追うこともできない。

サッカーの大ファンでも、右脳機能の停止の瞬間から、サッカー競技への興味を失ってしまう。

テレビも見なくなる。ブラウン管上で起こっていることが、理解できないからだ。

その代わり、ラジオのスポーツ実況放送を聞いて楽しむことはできる。言葉による情報は、右脳なしでも、きちんと理解できるからである。

 

これで、左脳の弱点がわかってきましたね?

この弱点が、ふつうの人が速読法をマスターしようとする時にも、同時にネックになって、なかなか修得できないのです。

左脳は色彩感覚もゼロ

それでは、色彩の識別に関しては、どうでしょうか?

やはり、左脳はこれも苦手にしています。

 

このことを、同じ『右脳と左脳のはなし』から引き続いて引用してふることにしましょう。

左脳、右脳のどちらが色彩認知を支配しているのだろうか?

 

ごく最近まで、充分にはわかっていなかった。色の識別機能には、左脳とも右脳が平等に関わっている、と長い間、思われてきた。

ところが、ごく最近、色彩識別の点でも、両半球間に厳密な分担のあることがわかった。

 

左脳を遮断しても、光スペクトルによる色識別、色の明暗、濃淡の認知に障害は起こらない。

ただし、一部の色、たとえば赤、橙の系統については、その識別は左脳を遮断し、右脳だけにしたほうが、両脳が働いている時よりも正確である。

おそらく、通常の条件下で両脳が働いている場合には、左脳が右脳にブレーキを掛け、右脳が完全に能力を発揮できないようにしているのであろう。
(このことも速読法のマスターに重要ですので、記憶しておいてください)

 

一方、右脳のほうが止まると、音の世界が貧弱になるのと同様に、色彩の世界も衰え、精彩を失う。

その証拠に、右脳後頭葉を遮断すると、たちまち被験者は色を混同し始め、色の明度、彩度の差を弁別できなくなってしまう。

 

簡単なテストをしてみよう。

被験者に一枚の色カードを示して、それと同色のカードを、テーブルのうえにバラバラに並べて置いた三十ニ色の色カードの中から捜し出してもらう。

 

これは、ごく簡単なテストだ。

両脳が正常に機能している時は、苦もなく、正確に答えを出す。

 

ところが右脳を遮断した「左脳人間」にこのテストをやってもらうと、迷ったり、グズグズしたり、なかなか答えを出さない。

 

ただし、
「自分の持っている色カードを、テーブルの上の三十二枚のカードと見比べても良い」と言うと、時間はかかるが、最後には同色のカードを選び出すことができる。

 

しかし、この場合でも、「左脳人間」は自分の選択に自信なげである。

テーブル上のカードとの対照を禁じてしまうと、彼はたちまち混乱し、三十二枚のカードのうちから、自信なげに二~三枚を選び出す。

その二十二枚の中に、指示した色が入っていることもあるが、必ずしも毎回、入っているとは限らない。「左脳人間」は、確信を持って色を見分けることが、できないのである。

 

さて、どうして右脳と左脳の機能の違いについて長々と述べてきたのか、あなたが勘の鋭い人でしたら、即座に理由の見当がつくでしょう。

そうです、ずっと前のほうで、銀行の看板の文字を一瞬で識別する並列処理の例を出しましたが、それができるためには、看板の文字の色彩、デザインなどが統一されていなければなりません。

 

ところが、色彩とかデザインを識別する能力は左脳にはなくて、もっぱら右脳が受け持っていることがわかりました。

しかし、肝心の「言葉の意味を把握したり理解したり」するのは、左脳の受け持ちです。

 

つまり、文章の意味を理解する、というようなことにおいては、左脳が主導権を握っていて、しかも、その情報処理方式は直列であり、右脳は並列処理方式が可能であるが、主導権を持たず、アシスタント役をさせられているにすぎない、ということです。

 

それでは、右脳を何とかたんれんして、左脳に対して主導権を握らせるようにすれば、速読法のマスターが可能になるのではないでしょうか?

漢字の識別は右脳担当

もう一つ、別の例を出しましょう。
前のほうで、脳梁を分離した患者の右側の視野に文字を見せても、止確に読み取ることができる、という例を出しました。

 

ところがそれは、アルファベット、ヒラガナ、カタカナ、そして非常に簡単な構造の漢字に限定されます。

脳梁を分離した患者や、事故などで右脳に障害を負った患者に、構造の複雑な漢字を識別させようとすると、ほとんどできません。

 

たとえば、雲、雪、雷、霧、霞、曇、霑、霹、ぶといった似通った文字群(偏とっくりと、どちらかが共通している)があります。

 

右脳が働いていない患者は、ひげをモジャモジヤにした人の顔とライオンの顔の区別が難しいくらいですから、こんな似通った文字は、どれがどれやら、まったく識別できなくなってしまうのです。

 

かつては、このことから、
「アメリカやヨーロッパ人の自人は、右脳にけがをしても、文字を読めないようにはならない。ところが、日本人や中国人は、右脳にけがをすると、文字が読めなくなってしまう。これは、すなわち、黄色人種が白色人種よりも劣っている明白な証拠である」

などと、人種差別の材料に使われたこともあったくらいです。

 

しかし、実際には、アルファペットが漢字と比較してデザインの単純な文字である、ということにすぎません。

 

またちょっと話が脱線してしまいましたが、「左脳は右脳をアシスタント的に使い、目から入ってくる文字情報の直列処理を行なっている」ということが理解できたと思います。

耳から入ってくる言葉は、当然、一語ずつ順番に入ってこなければ理解できませんから直列処理ですが、速読法に関しては、耳から入ってくる音声は、この際、関係がありませんから、除外して考えることにします。

右脳をアシスタントから一人前に昇格させるには、どうしたらいいでしょう?

優位脳=左脳 劣位脳=右脳

左脳は言語などを担当し、右脳は音楽などを担当していることから、とくに左脳を「言語脳」、右脳を「音楽脳」と呼ぶことがあります。

 

それから、人は何かに意識を集中すると、情報を並列処理する回路のスイッチを切り、直列処理しようとする傾向があることを、さまざまな例を挙げて見てきました。

それはなぜかと言うと、意識を集中した場合、それにはほとんど論理的な思考を伴います。

 

そうすると、「これはAである。Aだと、次にはBが起こる。Bならば、その次はCで、そのまた次がDである」

というように、論理的思考は物事の順を追って検討し、解決していかなければ混乱する(即ち、直列処理しなければならない)性質を持っています。

 

そこで、どうしても並列処理の回路を切ってしまうのです。

 

論理的思考は左脳が受け持ち、アシスタント的、補助的に働く並列処理の回路は右脳が受け持っていますから、優劣関係という視点で見ますと、左脳は、右脳に対して常に優位です。

 

そこで、左脳を「優位脳」、右脳を「劣位脳」とも呼ぶことがあります。

人は何かに意識を集中すると、情報の処理方式を並列処理から直列処理に切り替える傾向がある、ということを何度も繰り返して述べてきましたが、それは実は、詳しく考えてみると、論理的思考を伴っているような、主として左脳が受け持っている分野のことに限定されるのです。

 

たとえば、あなたがオーケストラのコンサートに出かけて、すばらしい演奏に熱中している、という場面を想像してください。

 

あなたは、演奏に夢中になっていますから、周囲の観客がおしゃべりをしようが、おせんべいをバリバリかじろうが、全く気になりませんか?

 

いえいえ、とんでもない、そんなことをされたら、演奏の素晴らしさを観賞しているどころではありません。

それはいったい、どうしてでしょう?

右脳は常に並列処理を行おうとする

周囲の観客のおしゃべりの声というのは、これはたとえ、あなたが聞く気がなくても、言葉ですから、左脳が情報処理を担当します。

これに対し、オーケストラの演奏は音楽ですから、「音楽脳」である右脳が情報処理を担当します。

 

そうすると、左脳の活動は常に右脳の活動に対して優位ですから、あなたがオーケストラの演奏にいくら夢中になっていようとも、それを妨害する格好で、会話の声は割り込んできてしまうのです。

 

それから、お煎餅をバリバリやる音は、無意味な雑音ですから、右脳が情報処理を担当します。

 

同じ右脳が受け持っていて、あなたはオーケストラの演奏に夢中になっていますから、バリバリいうおせんべいの音は、消えてしまうはずですが、実際には消えるどころか、耳障りで仕方がありません。

このことから、右脳は左脳と違って、何かの対象に意識を集中したとしても処理方式は直列には切り替わらず、常に情報の並列処理回路が作動し続けている、ということを意味しています。

 

前に例を挙げた、並列処理から直列処理に切り替にわっていく状況を、もう一度、思い返して下てください。

 

ケーキ屋さんでケーキを選ぶ例では、最初は沢山のケーキの中で自分の好みの品がどの辺りに置かれているかを探しますから、並列処理で沢山のケーキが目に入っています。

 

ところが、おおよそがわかって、その前に立つと、今度は、「デザイン、色、大きさ、値段、何種類を買うか」などといったことを、考え始めます。

これも、論理的思考の一種で、左脳が主要部分を受け持っています。

 

そこで直列処理回路が起動して、右脳の並列処理回路のスイッチが切られ、結果的に「目的に合致しない他のケーキは、視野から消えてしまう」という、視野が狭くなる現象も起きるのです。

テレビ・ドラマに夢中になった場合も同様で、せりふの理解、ストーリーの理解などが左脳の受け持ちですから、情報の直列処理化が起こるわけです。

配列処理回路を起動させるな

左脳の直列処理回路が起動してしまうと、これは右脳の並列処理回路に対して優位ですから、速読することができなくなります。

速読法を身につけるためには、最初はどうしても左脳の直列処理回路を起動させない工夫をしなければなりません。

 

ところが、ジョイント速読法以外の速読の流派では、キム式速読法も佐藤泰正式速読法も、いきなり最初から「読んだ文章の内容を、どれだけ記憶しているか?」というチェックをやります。

ところが、文章を記憶するのは左脳ですから、強く意識することによって、直列処理回路を起動させてしまいます。

 

同時に右脳の並列処理回路のスイッチが切れ、視野が狭められ、といった調子で、速読することに関しては、左脳はブレーキとして働きます。

左脳のブレーキを作動させないですむのは最初から右脳が発達している人で、せいぜい一割にも満たない、非常に少数の例外の人だけです。

 

記憶しつつ、同時に速読しようというのは、大脳の生理を考えると、ブレーキを踏みつつ、アクセルを目いっぱいに踏み込むような、非常に矛盾した愚かしい行為なのです。

 

その矛盾に気づかないために、他の流派の速読法は大多数が「科学的」という、さも「もっともらしい」看板を掲げているにも関わらず、今も言ったように実態が「非科学的」ですから、なかなか上達しにくく、人勢の落ちこぼれてしまう生徒を出しています。

最初は、とにかく右脳の並列処理回路を速読法のために鍛錬することが肝心で、読んだ文章を記憶することを考えてはいけません。

 

読んだ文章の内容を記憶していないのだったら、いったい何のための速読法だ、ということになると思いますが、もちろん先に行けば、記憶することも必要になってきます。しかし、最初の段階では記憶することを意識してはいけない、ということなのです。

 

右脳の並列処理回路をたんれんして、左脳の直列処理回路が起動した場合でも簡単には遠慮してスイッチを自ら切ってしまうようなことがない、という状態になってから、初めて文章の内容を記憶するように心がけると、良い結果に結びつきます。

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